長距離走(ランニング)を続けていると、「最近走るのが遅くなった」「以前よりタイムが上がらない」ということもあるかと思います。
ランニングの動きやタイムが悪くなるのには、何かしらの原因(理由)があります。原因が分からないまま走っていると、モチベーションの低下に繋がることもあり、挫折してしまうケースもあります。
ここでは、科学的・トレーニング的な視点も取り入れながら、走るのが遅くなる主な原因とその対策を丁寧に解説していきます。
「走るのがだんだん遅くなっていく、なぜだ~」などと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
※走力の低下には、単なる練習不足だけでなく 身体・食生活・メンタル・フォームの変化など様々な原因があります。
長距離走(ランニング)が遅くなる原因と対策
オーバートレーニング・怪我
毎日のトレーニングのし過ぎで回復が上手くいかないと、身体にはダメージが蓄積していき、自分が本来持っている能力を発揮することは困難になります。
リカバリーを考慮しない練習メニューを組んでいると、脚を痛めるリスクは増えていきます。
脚など、どこか痛めてしまうと、身体の動きは悪くなってしまいます。痛みをかばおうとしてランニングフォームが悪くなり、他の部分も故障してしまうこともあります。
毎日のオーバーワークが原因で、負の連鎖によりどんどん走るのが遅くなることがあるので、オーバートレーニング症候群に陥らないように注意することは大事です。
ポイント練習(刺激)とつなぎの練習(回復)でメリハリをつけることが、効率的に速くなるコツになります。
【対策】
- 休養日(積極的休養と完全休養)を見直す
- 回復優先のトレーニングを取り入れる
ただの練習不足・トレーニングの質の低下
トレーニングをサボることが多くなれば、当然筋力や持久力は落ちていきます。原因がとてもシンプルなので、本人も「あまり走っていないから走力が低下している」と気が付きやすい。
しかし、逆にオーバーワークが原因の方の中には「練習量が足りないから走るのが遅くなっている」などと勘違いをし、ますますオーバーワークになり怪我をしてしまう方もいます。
それと、毎日ちゃんと走っていても、のんびりゆっくり走ってばかりで、身体に刺激が加わっていないことも走るのが遅くなる要因になります。
多い頻度で走っていてスタミナがあっても、ゆっくりジョグばかりしているとスピードがないので、大会で確実に完走することはできても、満足のいく順位をとるのは難しいでしょう。
【対策】
- サボらない
- 定期的に刺激が入るトレーニングを行う
夏の暑さ
現代の日本の夏はものすごく暑いですよね。暑いなか運動をすると「体温が上がりやすく汗をかきやすい」「身体の放熱が上手くいかない」などの理由により、熱中症や脱水症に陥りやすくなります。
軽度でもそれらの症状が現れることは、パフォーマンスの低下に繋がります。そのため、暑い時期のランニングで足が遅くなるのは仕様がないことです。
走る距離が長くなればなるほど、暑さによる影響を受けやすく、走るペースは落ちやすいものです。
気温が高いことが原因の場合は「ちゃんと練習しているのに、最近遅くなってる」などと心配する必要はなく、残暑が終わり秋になって涼しくなってくると、自然と調子は上がっていきます。
【対策】
- 暑いとパフォーマンスが落ちやすいことを理解する
- 比較的涼しい時間帯に走る
- ランニングマシンを利用する
- 避暑地で走る
毎日クッション性の低いシューズでアスファルトを走っている
これは私の実体験ですが、毎日クッション性の低い薄底シューズでアスファルトを走っていたら、走るのが遅くなっていきました。
クッション性が非常に低いシューズの影響で、着地時の脚へのダメージは大きくなります。硬い路面を走ると更にダメージは大きくなり、毎日の大きいダメージの蓄積により、走るのが遅くなってしまうのです。
疲労抜きジョグで軽く走っていても、地面からの衝撃が大きいと、疲労抜きにならないですからね。
【対策】
- トレーニング内容によってランニングシューズを履き分ける
- 土のグラウンドや陸上競技場のタータンなどで走ることも検討してみる
ランニングシューズが寿命を迎えている
ランニングシューズの機能は長距離走のタイムに大きく影響します。ランニングシューズは、使ったり時間の経過により劣化していき、クッション性や推進性などは低下していきます。
機能性が低下すると、足を前に押し出す力が減ったり、着地時の衝撃が増えたり、フォームのバランスが悪くなったりする可能性もあり、同じスピードを出すにしてもいつも以上に力を使います。
このことは、ボロボロのシューズから新しいシューズを履くと理解しやすいです。新品のシューズを履いた時、以前よりも跳ねるような感じがするのは、機能性が十分だからです。
【対策】
- 寿命を迎えたランニングシューズは履かない

貧血
血液は栄養素はもちろん酸素も運搬しており、貧血になると自分の実力を十分に発揮することはできません。
有酸素運動であるランニングは、酸素を取り込みながら常に身体を動かしているため、結果的に多くの汗をかいてしまいます。汗をかくことで鉄分も失われるので、大量の汗をかきやすい長距離走は貧血になりやすいといえます。
また、走っている時の足裏への衝撃により赤血球が破壊されることも、貧血の要因になるといわれています。
血液を作るのに深く関係している鉄分が不足すると、息が切れやすくバテやすくなる、集中力の低下などに繋がるので、ランナーは意識して適した量の鉄分を摂取する必要があります。
【対策】
- 食生活を見直す
- 自分に適した量の鉄分を摂取する

栄養不足・エネルギー不足
車がガソリンなしでは動かないのと同じように、ランニングにもエネルギーが欠かせません。カロリー不足や必要な栄養素の欠乏は、身体を動かす「燃料切れ」を起こし、タイムの低下につながります。
【代表的な影響】
- 炭水化物不足 → 途中で疲れやすい
- 鉄・ビタミン不足 → 疲労回復が遅い
- 水分不足 → 心拍数が高くなる
【対策】
- 練習前後の栄養補給を見直す(食生活を見直す)
- 必要なら血液検査を受けて栄養状態を確認する
ランナーに起こる可能性のある「ぬけぬけ病」
ランニング中、脚の力が抜けることのある「ぬけぬけ病」。ふとした瞬間、脚の力が抜けるので、ランニングフォームのバランスを崩し、安定した走りをすることは困難になります。
ちなみに私もぬけぬけ病で、この症状が出るようになってからはかなり遅くなりました。
ぬけぬけ病に関する詳しいことはコチラをご覧ください。

ランニングフォームを変えたが自分に合っていない
速くなるためにランニングフォームを変えようとする方は多くいます。変えたフォームが自分に合っていれば良いのですが、変えたフォームが自分に合っていないと、走るのが遅くなってしまうことがあります。
人それぞれ骨格や筋肉の付き方などは異なり、適したランニングフォームも異なります。自分の骨格や筋肉に合っていないフォームに無理に変えることで、ぬけぬけ病やイップスになってしまう可能性も少なからずあります。
【対策】
- 自分に合っていないフォームに無理に変えない
太った(体重・体組成の変化)
ランニングに必要な分の脂肪がついている場合は、もちろん問題ありませんが、余計な脂肪がつくのは足が遅くなる要因になります。
余分な脂肪は重りであり、脂肪が多くついて太ると、走るスピードが落ちる上に、脚にかかる負荷は大きくなります。だから太っている人は膝を痛めやすく、ランニングが苦手な人が多いのです。
太ると長く走る力も低下するので、自分のベスト体重を見極め維持するようにしましょう。
摂取カロリーの管理だけでなく、不足している栄養素がないのかチェックし、バランスよく栄養を摂るようにすることも大事です。
太ることだけでなく、走るのに必要な筋肉が落ちることも、走力の低下につながりやすくなります。
【対策】
- 自分の最適体重を見極める
- 栄養バランスを整える
- 筋トレを適度に行う
(除外)年齢を重ねることによる走力の低下も考えられるが・・・
ここまでの記事を読んで、「あれっ、年を取ることも走るのが遅くなる原因になるでしょ」などと思う方もいることでしょう。
確かに、年齢を重ねて老化し、ピークを過ぎることも長距離走が遅くなる原因として考えることができます。
ですが、身体は何歳になっても鍛えることができ、いくつになっても強くなることができるという考えが私にはあります。
人間には無限の可能性があると思っているので、あえて「加齢による老化」は遅くなる原因から外しました。
まあ私自身が、年齢を言い訳にせずに、年齢を重ねても上を目指して頑張っているスポーツ選手が好きなので。
実際、加齢によって筋肉構成の変化や回復力の低下は起こるものの、トレーニング次第で改善することができます。
【対策】
- 筋力トレーニングを並行して行う
- 練習と休養のバランスを見直す
走力低下は「複合要因」の場合もある
タイムが落ちる理由には、練習内容・体調・食生活・精神状態・フォームなど様々あります。原因を特定し対策を立てることで、パフォーマンスは再び上がっていきます。
走力低下の原因は1つではなく、複合要因になっているケースもあります。その場合「どれか一つを直せば改善する」という単純な話ではありませんが、原因を整理して対策を立てることが重要です。
【走力を戻すための実践チェックリスト】
- 今週の休養日(積極的休養や完全休養)は十分か?
- 栄養と水分は足りているか?
- 睡眠時間は確保できているか?
- ポイント練習とつなぎの練習のバランスは良いか?
- フォームは崩していないか?自分に合っているフォームか?
このように整理して原因を見つければ、走力再アップのヒントが見えてきます。

