陸上競技の中長距離で強くなるには、ポイント練習とつなぎの練習を上手に組み合わせることが大切です。と言っても「ポイント練習とつなぎの練習って何?」という方もいるかと思います。
そこで今回は、それらのトレーニングの意味と、組み合わせ方や要点を解説していきます。興味のある方は、ぜひご覧あ~れ~。
ポイント練習とは
ポイント練習とは、インターバル走や速いペース走、きついビルドアップ走やレペティションなどのことをいいます。つまり、成長するために行う負荷の強い練習のこと。
慣れている練習ばかり行っていても成長は望めません。今よりも強くなるには、負荷の強い練習を取り入れる必要があります。そのため、走力向上する上でポイント練習の重要性は高い。ポイント練習を行った感覚により、自分のレベルを把握することもできます。
つなぎの練習とは
つなぎの練習とは、ポイント練習の前後(間)に行う練習のこと。では、具体的にどのような練習なのかというと、身体のコンディションを維持できるような疲労を回復させる練習です。または、次のポイント練習に向けて調子を整える練習。つまり、走力の維持や疲労回復が目的になります。
毎日質の高い練習を行うと、筋肉は回復する暇がなくなり、身体にはどんどん疲労が蓄積していきます。それでは成長することができないし、パフォーマンスは落ちるし、怪我をする原因にもなります。
強くなるにはポイント練習の質を上げることが重要なため、レベルアップする上でつなぎの重要性も高いといえます。
ポイント練習ばかりだと、身体へのダメージがどんどん蓄積していき、トレーニングの質を上げることは困難になりますからね。
ポイント練習とつなぎの練習の要点
ポイント練習の頻度
頻度は、人それぞれ走力や回復力などは違うので、一概に何回とは言えませんが、一般的に週2回が理想的とされています。少なくて週1回、多くても週3回までにすることが大切です。ポイント練習の内容によっては週3回でも多すぎる場合があります。
頻度が多すぎると、当然怪我をするリスクは高まります。そのため「早く強くなるんだ!」と焦って、頻度を多くするのは良くありません。
ポイントとつなぎの練習を組み合わせたトレーニングは「超回復」を考慮したことです。超回復をすることによって強くなることができるので、負荷を強くかけるのを連日行うのはNG。
週3回行っていて強くならない場合は、頻度が多すぎる可能性があるので、週2回に減らしてみましょう。
ジョギングを始めたばかりの超初心者はポイント練習をする必要がなく、走ることに慣れてきてそこそこ脚力がついたら週1回入れてみましょう。超初心者はゆっくりジョグでも刺激になり、走力が向上するからです。
ポイント練習とつなぎの練習の組み合わせ方
では、どのように組み合わせれば良いのかというと「ポイント→つなぎ→つなぎ→ポイント→つなぎ・・・」といった具合にスケジュールを組むと良い。完全休養日を入れる場合は、つなぎの練習のところに入れてください。
先ほどの例では、ポイント練習とポイント練習の間は中2日あけていますが、中2日あけてポイント練習をしたら中3日あけるといった具合にトレーニングを組むと良いでしょう(ポイント練習が週2回の場合)。
練習内容や身体のコンディションによっては、ポイント練習を2日連続で行う方法もありますが、初心者や中級者は避けた方が良いです。脚を痛めるリスクが高く効率的ではないので。
つなぎの練習は頑張りすぎないこと
つなぎの練習で頑張りすぎると、ポイント練習でダメージを受けた筋肉に更にダメージが加わってしまいます。
超回復がスムーズに行われなくなり、トレーニングの効率が悪くなるので、つなぎは疲労回復やコンディションの維持を意識して行いましょう。
ポイント練習としてマラソン大会を利用するのもあり
多くの市民ランナーは1人で走ることが多いです。「1人で練習しているせいか、なかなか追い込むことができない」という方もいるかと思います。そのような方は、ポイント練習としてマラソン大会を利用してみましょう。
大会では独特の緊張感を味わうことができ、 他の人と競争するため、モチベーションはアップします。沿道で応援してくれる人が多くいるので、1人で練習する時よりも追い込むことができます。
つまり「マラソン大会=質の高い練習=ポイント練習」ということになるのです。マラソン大会に出ることによって、自分は市民ランナーの中ではどのくらいのレベルなのか、再確認することもできます。
成長するには栄養と睡眠も大事
走力向上するには栄養と睡眠も大事です。身体は口から入った食べ物の栄養素によって作られており、超回復を促すには栄養が必要です。とはいっても、ただ食べれば良いというわけではなく、栄養のバランスを考えて食べることが大切です。
炭水化物やたんぱく質、ビタミン類やミネラル類などバランスよく摂りましょう。栄養をバランスよく摂ることは栄養同士の相乗効果を生み出すことにもなり、回復が促進されるのを期待することができます。
成長して強くなるのに睡眠が大事な理由は、人間はスヤスヤと眠っている時に成長ホルモンの分泌量が多くなり、肉体の回復や成長が促されるからです。なので、強くなるためにはしっかり睡眠をとることが大切で、夜遅くまで起きていて睡眠不足になるのは良くありません。
メリハリをつけましょう
2つの練習を上手に組み合わせることで、負荷に強弱をつけることができます。強弱を波のようにつけることは、身体の回復と強化を考慮したトレーニングになります。
毎日ハードな練習や毎日軽い練習ではメリハリがなく、走るのが速くなるのは難しくなるので、強度の高い練習を適した頻度行うようにしましょう。