長距離走トレーニングの1つであるLSD。LSDという言葉は聞いたことがあるけど、どのような練習方法なのか、どのような効果があるのか知らないという方もいるかと思います。
そこで今回は、LSDのやり方や効果などを解説していくので、初心者の方はぜひご覧ください。中級者や上級者でも、興味がある方は読んでみてください。
LSDとは?
LSDは怪しい薬や麻薬などではありません(笑)。ロングのL、スローのS、ディスタンスのD、つまりLSDとはロングスローディスタンス(Long Slow Distance)の略であり、ゆっくり長く走ることを意味します。
通常のジョギングと違うところは、【長い時間、長い距離を意識してゆっくり走ること】。とても遅いことから負荷が少なくイージーなため、長い距離を走れるのかは別にして基本誰でも簡単に行うことができます。
必死になってスピードを出す必要がないので簡単ですよね。長時間走るのが苦ではないランナーは、取り組みやすいかと思います。負荷は低いですが長い時間走るので、多くのエネルギーを消費します。
長距離走トレーニング「LSD」に期待できる効果
効果1.毛細血管が発達して持久力がアップする
ランニングは有酸素運動であり、LSDは有酸素運動を長時間行うため、毛細血管が発達して「酸素を多く含んだ血液を循環させる能力」がアップします。
つまり、マラソンの基礎的な能力である持久力(スタミナ)がアップするのです。スタミナがつくということは、長距離に強くなるということにもなり、マラソントレーニングにはかなり有効といえます。
効果2.マラソンを完走するための脚を作ることができる
LSDを行うと長距離走の基礎的な部分は鍛えられ、長い距離を走れる脚を作ることができます(遅筋が鍛えられるとも言えます)。
長い距離を走れることは、フルマラソンやハーフマラソンなどで完走できる力を身につけられることに繋がります。また、楽にロング走ができれば、マラソン後半でもペースは落ちにくくなるので、結果的にタイムを縮めることもできます。
つまり、スピード持久力も少なからずアップさせることができる訳ですが、LSDでスピードを向上させるには限界があります。
伸びしろが非常に多い初心者なら、LSDでスピード持久力を上げることができても、ある程度走力のある方の場合、LSDだけでスピード持久力を上げることは困難です。
速さを維持する能力を向上させるには、やはりインターバル走やペース走なども取り入れる必要があります。それらの練習は非常にしんどいですが、速くなりたいのなら頑張りましょう。
効果3.脂肪燃焼
「LSDに脂肪を燃やす効果があるのは当たり前じゃん」と突っ込む方もいるかと思います。まさにその通りで、脂肪燃焼効果も期待できます。
ランニングでもウォーキングでも脂肪を燃やすことができるので、当然ですよね。負荷が低いので怪我をする危険性は少なく、ダイエットにもピッタリです。
疲労回復効果は期待できない
「LSDには疲労回復効果がある」というサイトもありますが、サブスリーランナーの私の意見としては、LSDにリカバリー効果は期待できません。なぜなら、走る時間や距離が長いからです。
ゆっくり走っても90分以上走り、長い距離を走れば疲労は蓄積してしまいます。特に走力の高くない方は疲れてしまいます。LSDは疲労抜きジョグじゃないですからね。
疲れを取りたいのなら、ゆっくり走るのはもちろん、走りすぎないことが大切です。LSDで疲労が抜けるとしたら、エリートランナーくらいでしょう。
LSDの正しい方法
方法1.走る時間は80~180分
LSDとはゆっくり長くジョギングをすることを言いますが、「長く走るって、どのくらい?」などと思う方もいることでしょう。
一般的には80~180分くらい走りますが、走り始めたばかりの初心者は、そんなに走れないかと思います。なので、初心者の場合は60分を目安にしても良いでしょう。
方法2.走るペースは人それぞれ違う
ペースは人それぞれ異なり、自分がゆっくりに感じる速度で走るのがLSDです。
7:00/km(1km7分)がLSDという人がいれば、5:40/km(1km5分40秒)がLSDという人もいます。
また、レベルが高くなると、5:00/km(1km5分)がLSDのペースという人もいます。要は、自分の走力や調子に合わせてゆっくり走れば良いのです。
シューズは速く走れるものよりも脚への負担が少ないものを
LSDは長くゆっくり走り、速く走る必要がないので、軽さよりもクッション性を重視したランニングシューズを履くと良いです。
クッション性が低いものを履くと、ゆっくり走っていても、長く走ることにより脚へのダメージが多くなってしまいますからね。
ロングスローディスタンスなので、速く走れるシューズよりも脚への負担が少ないシューズを選ぶことが大事です。
ランニングフォームが崩れないようにしましょう
とても余裕のあるゆっくりとしたペースなので、フォームが崩れることは少ないかと思いますが、フォームが乱れないように注意して走ってください。
「速いペースよりも遅いペースのほうがフォームが崩れやすい」なんてヘンテコなことを言うサイトもありますが、速いペースで走った方が姿勢は崩れやすいです。
それは、速く走った方が疲れやすいからで、疲れることでフォームが崩れやすくなるからです。まあ~とにかく、ランニングフォームが崩れないように行ってください。
フォームが崩れると余計なエネルギーを消費するし、部分的に負担が大きくなって脚を痛めてしまうこともあります。