インターバル走入門ガイド|効果・やり方・メニュー・頻度を徹底解説

トラック 長距離走・マラソンの練習方法

中長距離走・マラソントレーニングの1つであるインターバル走。「インターバル走はきついけれど効果が高い」と聞いたことはあっても、具体的にどのように行えばよいのか分からない方は多いのではないでしょうか。

インターバル走は、速いペースで走る区間と、ゆっくりつなぐ区間を交互に繰り返すトレーニングです。心肺機能やスピード持久力の向上が期待でき、中距離走・長距離走全般の記録向上に役立ちます。

ただし、ペース設定やレストの取り方、行う回数を間違えると、思ったような効果を得られないこともあります。

特に初心者ランナーは、「きつければきついほど良い」と考えてしまい、やりすぎてしまうケースも少なくありません。

そこでこの記事では、インターバル走の効果、基本的なやり方、代表的なメニュー、おすすめの頻度まで、初心者にもわかりやすく解説します。インターバル走を正しく取り入れて、効率よく走力アップを目指しましょう。

スポンサーリンク

この記事の結論

  • インターバル走とは、速く走る区間とゆっくりつなぐ区間を繰り返すトレーニングです。
  • 心肺機能やスピード持久力の向上に効果があり、中距離走・5km・10km・ハーフマラソン・フルマラソンの記録向上に役立ちます。
  • 疾走区間のペースは全力ではなく、「8割程度の力」で走るのが基本です。
  • 初心者は、無理のない距離と回数から始めることが大切です。
  • ショートインターバル、ロングインターバルなど、目的に応じてさまざまな種類があります。
  • レストを含めて最後までフォームを崩さずに走ることを意識しましょう。
  • 頻度は週1回で十分で、多くても週2回程度がおすすめです(ポイント練習は週2回程度が基本なため)。
  • やりすぎると疲労がたまりやすいため、他の練習とのバランスを考えて取り入れましょう。

インターバル走とは?

あらかじめ決めた距離を、休息(rest)を挟みながら繰り返し走る練習方法を「インターバル走」といいます。休息(rest)を挟みながらといっても、完全に休息するわけではありません。インターバル走での休息とは、軽いジョギング(不完全休息)のことをいいます。

つまり、【あらかじめ決めた距離をかなり速いペースで走る→軽いジョグをする】というのを繰り返すトレーニングです。基本、疾走と不完全休息の距離は一定にします。

インターバル走の効果

心肺機能・最大酸素摂取量・スピード持久力などの向上効果が期待できるといわれています。そこで「心肺機能の向上・最大酸素摂取量の向上・スピード持久力の向上、どれも同じような意味じゃないの?」などと思い、混乱する方もいるかと思います。

混乱しないように分かりやすくシンプルに説明すると、スピードや持久力など幅広く高めることができ、中長距離走でレベルアップするための能力を上げることができるということです。

ちなみに心肺機能とはスタミナのことで、最大酸素摂取量とは体内に取り込めることができる最大の酸素量のことです。そしてスピード持久力とは、速いスピードを維持して長い距離を走ることができる力のことをいいます。

要は、心肺機能の向上も最大酸素摂取量のアップも、スピード持久力の向上も、同じようなことをいっており、ニュアンスが少し違うだけです。

インターバル走の基本的なやり方

トラック

初心者の中には、「インターバル走って難しいんじゃ」と思う方もいるかと思いますが、とても簡単です。走る距離やペース・行う場所や回数・休息の取り方を決めるだけです。難しくないですよね?

結構速いスピードで走るので、一般的にはグラウンドや陸上競技場のトラックで行われます。それらの場所なら安心してスピードが出せるし、距離が分かりやすいし、アスファルトのように硬くなく、フラットで走りやすいですしね。

もちろん、ロードでも行うことはできますが、できるだけ安全なところで行い、自動車や自転車、歩行者などに注意して行う必要があります。

アスファルトでスピードを出すと足にかかる負担は大きくなるので、できたらグラウンドやトラックでやった方が良いでしょう。

距離は200m~600mで行われることが多く、長い距離だと1,000m~3,000mくらいを繰り返し行います。一般的に、200m~600mのような短い距離はショートインターバルといい、1,000m以上はロングインターバルといわれています。

ペースは心拍数を目安に(8割の力で走る)

インターバル走を行う時、どのくらいの速度で走れば良いのか分からないという方は多くいることでしょう。では、どの程度の速さで走れば良いのかというと、心拍数を目安にすると良いです。

インターバル走を行っている時の心拍数は、120~180の範囲で変動するのが効果的です。つまり、疾走直後が180くらいで、つなぎのジョグ(rest)の時に120~140まで戻すと良いのです。120~180の範囲から大きくはずれる場合は、走る速度や休息時間を上手く調整してください。

最大心拍数は人それぞれ違うので、先ほど示した数値はあくまでも目安になります。ちなみに、初心者の場合は抑え気味に走っても、restで120くらいまで回復するのは困難で、高い値で狭い範囲で変動しがちです。

心拍数を測れる時計などを持っていない方は、感覚的に8割の力で走ると良いでしょう。

行う回数(セット数)

繰り返す回数(セット数)は、走る距離によって違ってきます。ショートインターバルだと10~20回くらい、ロングインターバルだと3~8回くらいが目安になります。ショートインターバルでも200mと400mとでは距離が大分違うので、400mの方が回数が少なめになります。

そして、ロングインターバルも、距離に応じて回数を調整します。レースが近づいてきている調整期では、いつもよりも回数を少なくし、リラックスしてシャープな感じで走ると良いです。

行う頻度は週に1回か2回が良い

インターバル走は慣れていないと全体的に忙しく感じ、完全に休めないことが辛く感じてしまいます。ですが、不完全な休息が身体に良い刺激となり、スタミナやスピードなど中長距離走に必要な能力を上げることができます。

負荷の強いトレーニングになるので、行う頻度は週に1回、または2回までにしておいてください(身体に強い刺激を入れるポイント練習は、一般的に週2回が理想的なため)。

インターバル走の種類と方法

トラック

インターバル走には、ショートインターバル・ロングインターバル・変則インターバル・ダッシュインターバルなどがあります。種類によって特徴は異なるので、目的に合わせて行ってください。では、それぞれ詳しく説明していきます。

ショートインターバル

短めの距離(200~600mくらい)で行います。「なんだか物足りない」「余裕」という場合は、ペースを上げるよりも回数を増やしたり、休息(rest)を短くしたりすることをおすすめします。

【例】

  • 200m×10~20(rest=100m~200m)【レースペースよりも少し速く走る】
  • 300m×10~15(rest=100m~200m)
  • 400m×10~12(rest=200m)【5,000mのレースペースを目安に走る】

ロングインターバル

ちょっと長い距離(1,000m~3,000mくらい)を繰り返し走ります。決めたペースを刻めないという方は、途中でペースを確認すると良いです。距離がちょっと長いので、後半は粘るように走りましょう。

回数(セット数)は、ショートインターバルよりも少なめになります。ロングインターバルは、ペース感覚を養うことや、リラックスした速い走り方を覚えるのに効果的です。

【例】

  • 1,000m×5~8(rest=400m~600m)【レースペースで走る】
  • 1,500m×4~6(rest=600m~700m)
  • 2,000m×3~5(rest=800m)
  • 3,000m×3(rest=800m)【2回目は1回目よりも速く・3回目は2回目よりも速く】

変則インターバル

走る距離や速度、回数などは一定にせず変化させます。一般的なインターバル走にこだわらず、基本を守りつつ変化にとんだ疾走とrestをリピートすることができます。

【例】

  • 100m、200m、300m、400m、500m、600m、700m、800m、700m、600m、500m、400m、300m、200m、100m(restは全て100mジョグ)
  • 100m、200m、200m、400m、400m、600m、600m、400m、400m、200m、200m、100m(restは全て100mジョグ)
  • 【400m(rest=200m)+200m(rest=200m)】×10
  • 1,000m×6(rest=400m)【1本1本のペースを上げていく】
  • 600m×5(rest=400m)【最初の200mと最後の200mは力を入れて走り、中盤の200mはリラックスして走る】

ダッシュインターバル

100mくらいの距離で行います。加速力やスピードの向上に繋がり、スタートダッシュやラストスパートに有効なトレーニングです。

【例】

  • 3,000mジョグ+80m×10(rest=120m)【普通のジョグと混ぜて行う】
  • 60分ジョグ+100m×10(rest=100m)
  • 100m×20(rest=100m)【restは歩く】

その他のポイント

ポイント

中盤や後半の回数の走りがボロボロにならないように、始めの3~5回は余裕を持って走りましょう。設定したペースを守り、決めた回数をこなすことで効果を得やすくなります。

どのインターバル走を行うにしても、軽いジョギングでつなぐのが基本ですが、ランニング初心者は歩いてつないでも構いません。

休息時間は疾走する距離によって違ってきますが、ショートインターバルだと60~90秒くらいが目安になります。休息時間が長すぎると、軽いジョギングでつなぐというインターバル走の特質を失ってしまいます。

最初の何本かは苦しい?

インターバル走の序盤は、心肺機能が順応していないことから少し苦しく感じることがあり、1~3本でやめたくなる方もいることでしょう。

ですが、何本か行い中盤辺りになってくると、心肺機能が順応して少し楽になり、最後までやり通せそうな感じがしてくるので、比較的体が動きにくい序盤は我慢して走ることも大事です。

インターバル走の始めの何本かは、速く走るためのウォーミングアップのような感じになるので、中盤辺りは体が動きやすくなり、少し楽になるのです。

インターバル走を行う際の注意点

インターバル走は、心肺機能やスピード持久力の向上に効果的な一方で、身体への負担も大きいトレーニングです。正しい方法で行わないと、ケガや過度な疲労の蓄積につながることもあります。

安全に行い、しっかりと効果を得るためにも、実施前にいくつかの注意点を押さえておきましょう。

ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行う

インターバル走の前後には、ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行うことが大切です。インターバル走は負荷の高い練習のため、準備不足のまま始めると、筋肉や関節に大きな負担がかかり、ケガの原因になることがあります。

練習前は、軽いジョギングを行い、体を十分に温めましょう。必要に応じて動的ストレッチや流し(ウインドスプリント)を取り入れると、体が動きやすくなり、スムーズにスピードを出しやすくなります。

また、練習後はすぐに立ち止まるのではなく、軽いジョギングやウォーキングで徐々に心拍数を下げるのがおすすめです。クールダウンを行うことで、疲労回復を促し、翌日に疲れを残しにくくなります。

インターバル走の効果をしっかり引き出すためには、前後の準備と整理も含めて1つのトレーニングと考えることが重要です。

流し(ウインドスプリント)については、こちらの記事で詳しく解説しています。

流し(ウインドスプリント)とは?効果・やり方・頻度をレベル別に徹底解説
流し(ウインドスプリント)とは何かを初心者・中級者向けに解説。効果・正しいやり方・頻度・タイミングまでわかりやすく紹介します。短時間でフォーム改善やスピード向上、後半の失速防止にも効果あり。走りを効率よくレベルアップしたい方は必見です。

無理をしすぎない

インターバル走は、追い込むほど効果が高くなると思われがちですが、毎回限界まで頑張る必要はありません。むしろ、無理をしすぎるとフォームが崩れたり、疲労が抜けにくくなったりして、翌日以降の練習の質が下がることもあります。

基本となるのは、「最後の1本まで大きくペースを落とさずに走り切れる強度」に設定することです。最初の数本だけ速く走れても、後半に大きく失速してしまうようでは、ペース設定が高すぎる可能性があります。

また、インターバル走は心肺だけでなく、脚にも大きな負担がかかります。特に初心者ランナーは、まず回数を少なめに設定し、「少しきつい」と感じる程度の負荷から始めるのがおすすめです。

インターバル走で大切なのは、一度の練習で追い込みすぎることではなく、定期的に取り組むことです。無理のない範囲で行い、少しずつ負荷を高めていきましょう。

疲労が強い日は中止してもよい

インターバル走は負荷の高いトレーニングなので、疲労が強く残っている日は無理に行う必要はありません。

体があまり回復していない状態で実施すると、思うように走れないだけでなく、ケガや体調不良の原因になることもあります。

例えば、

  • 脚が非常に重く感じる
  • 筋肉痛が残っている
  • 睡眠不足や体調不良で体がだるい
  • ジョグの段階でいつもよりきつく感じる

といった場合は、無理をせず休養に切り替えるのも大切です。

また、予定していたインターバル走を、軽いジョギングや完全休養に変更しても問題ありません。1回の練習を休んだからといって、走力が大きく落ちることはほとんどありません。むしろ、疲労をしっかり抜いた状態で行ったほうが、質の高いトレーニングになりやすくなります。

長距離走のトレーニングは、「頑張る日」と「休む日」のメリハリをつけながら続けることが重要です。

疲労抜きジョグについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

疲れている日に走るべき?疲労抜きジョグの効果と正しいやり方
疲れている日は走るべき?休むべき?と迷っている方へ。疲労抜きジョグの効果や正しいやり方、逆効果になるNG例、完全休養との使い分けまでわかりやすく解説。身体の回復を早めてパフォーマンスを落とさないコツが身につきます。

【まとめ】インターバル走は正しい方法で行うことが大切

インターバル走は、速いペースで走る区間と、ゆっくりつなぐ区間を繰り返すトレーニングです。心肺機能やスピード持久力の向上に効果があり、中距離走や長距離走全般の記録向上に役立ちます。

ただし、きつい練習だからといって、毎回全力で追い込めばよいわけではありません。ペースは8割程度の力を目安にし、最後まで大きく失速せずに走り切れる強度に設定することが大切です。

また、ウォーミングアップとクールダウンをしっかり行い、疲労が強い日は無理をせず休むことも重要です。インターバル走は身体への負担が大きいため、週1回程度を目安に継続するとよいでしょう。

自分のレベルや目的に合った方法で無理なく取り入れれば、インターバル走は非常に効果的なトレーニングになります。焦らず定期的にポイント練習として行い、走力アップにつなげていきましょう。