ランナーなら誰もが、もっと効率よく速く走りたいと思います。そこで考えるのが着地の仕方。着地の仕方は大きく分けると3種類あります。
ヒールストライク走法(かかと着地)・ミッドフット走法(足裏全体で着地)・フォアフット走法(つま先で着地・正確には前足部から中足部にかけての部分での着地)。では、どの着地が理想的なのでしょうか?
ランニングの着地方法(フォーム)についてのサイトはたくさんあります。なので、ここでは私の今までの経験から、着地について思ったことを話していきます。まずは3種類の着地の説明から。
ヒールストライク走法(踵着地)
日本人ランナーにもっとも多い走り方。踵が厚い靴が多いため、この走りが多くなったともいわれています。
「踵から着地するため、ブレーキがかかりやすい」なんて言われていますが、ミッドフット走法もフォアフット走法も、少なからずブレーキはかかっています。
要は、どの着地をするにしてもフォームの問題で、フォームが悪ければどのような接地をしてもブレーキはかかりやすくなります。
ですから、「ブレーキがかかりやすいと言われているから、踵着地はやめよう」という考えはよくありません。
【踵が着く→足裏全体が着く→つま先で地面を押し出す】の3段階なため接地時間は長くなりますが、踵着地でも速いランナーは多くいます。
ミッドフット走法(足裏全体で着地)
フラット走法とも呼ばれており、足裏外側から足裏全体で接地する走り方。体の上下動が少ない省エネ走法で、かかと着地よりも接地時間が短く、ブレーキがかかりにくいのでスピードが出しやすいと言われています。
「フォアフットより無理がなく、1番理想的な走り方」なんていう人もいますが、人によって骨格や筋肉のつき方は違うので、ヒールストライク走法の人が無理してミッドフット走法に変えることはありません。無理して変えると怪我をする恐れがあります。
フォアフット走法(前足部から中足部にかけての着地)
「つま先着地」といわれることが多いが、詳しくいうと「前足部から中足部にかけた部分での着地」になります。
着地をした後、踵を着く人とつかない人がいます。ケニアやエチオピアの選手に多い走り方。トップランナーの大迫傑選手もフォアフットです。
ケニアやエチオピアのランナーは、幼い頃から裸足で走り回っていたから、この走り方をしている人が多い。
裸足で走ってみると分かるが、裸足で走ると自然につま先着地になります。アキレス腱やふくらはぎのバネを使って走るため、慣れないと故障しやすい。
接地時間は短く、短距離走に1番近い走法なためスピードは出ますが、他の走法よりもふくらはぎのバネを使うので、ふくらはぎに負担がかかりやすいです。慣れていないなとすぐに脚が疲労し、フォアフット走法を続けることはできなくなります。
フォアフット走法のコツ
私もフォアフット走法の練習をしたことがありますが、脚を痛めました。ちなみに、棒状の物など、何かをまたぐようにして走るのをイメージすると、フォアフット走法しやすいです。
また、裸足で走ると自然とつま先着地になるように、ソールの薄い靴を履くとフォアフットしやすいです。家の中の靴を履いていない状態で走ると、自然とフォアフットになりますよ。
そのため、裸足感覚で履けるベアフットシューズなんかは、簡単にフォアフット走法をすることができます。
ですが、裸足感覚で履けるということは、裸足に近い感じで走るということにもなります。つまり、何が言いたいのかというと、「裸足でアスファルトを走ったらどうなるでしょう?」ということです。
ベアフットシューズは裸足よりも安全に走れますが、裸足に近いということは負荷の加わり方も近いということになり、慣れていないと骨などを痛めるリスクがあるので注意が必要です。ちなみに、アスファルトという例えは、分かりやすいようにだしました。
けんけん走りとバウンディングもおすすめ
けんけん走りやバウンディングも、フォアフット走法の感覚をつかみやすいです。
けんけん走りとは、片足で跳ねながら進むこと。もう少し分かりやすく言うと、「ケンケンパ」という遊びのケンケンの部分で、片足ケンケンで前に進みます。けんけん走りは負荷が大きいので、短い距離で行いましょう。
次に、バウンディングとは、脚のバネを使って飛び跳ねるような感じで前に進むドリルになります。上半身は余計な力を入れず、腕の振りを利用してバランスをとると良いです。トーントーンと高く跳び、大きく前に進むので、瞬発力のアップ効果が期待できます。
バウンディングも負荷が大きいので、10~20mくらいから始め、少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
前述した通り、室内の靴を履いていない状態で走ると、自然とフォアフット走法になるので、室内で周りに迷惑のかからない範囲で走ってみて、感覚を掴むのもおすすめです。
今までの経験からの結論
では、どの着地の仕方が良いのかというと、着地の仕方は意識することはないです。意識しないで自然に着地しましょう。それが正解です。無理に変えようとすると故障してしまいます。
私は踵着地ですが、ダッシュすると自然にフォアフット気味になるし、ミッドフット気味にもなります。ですから着地は意識しないで自然に走ると良いです。でも、ラストスパートの時だけ意識して短距離走の走り方に切り替える時はありますけどね。
※私は、2023年3月からフォアフット走法に変えましたが、2024年の1月にヒールストライク走法(かかと着地)に戻しました。
気持ちよく感じる接地(着地)をすることが大事
ランニングでは、自分が気持ちよく感じる着地をすることも大事です。地面に気持ちよく接地することで、着地後の動きもしやすくなり、全体的な脚の動きはスムーズになります。
走る動作がスムーズになることは、ペースアップに繋がります。また、気持ちよく感じる地面への接地はモチベーションのアップに繋がり、モチベーションのアップは「長く走る気になる」「ランニングを続けようと思う」などのことに繋がります。
なので、気持ち良さで着地の仕方を選ぶことはとても大事であり、フォアフット走法よりも踵着地のほうが気持ちよく感じるのであれば、無理にフォアフット走法に変えることはないというのが私の考えです。
踵着地でも(同じ走法でも)、着地の角度や体重の乗せかたによって感触や感覚は違ってくるので、自分に最適な着地方法を見つけてください。
共通していること
3つの着地に共通していることは、着地した後、親指の付け根辺り母指球から押し出すこと。重心の真下で着地することが大切です。着地の仕方によって、脚全体の使い方も変わってきます。