インターバル走入門ガイド!正しいやり方と効果を徹底解説

トラック 長距離走・マラソンの練習方法

中長距離走・マラソントレーニングの1つであるインターバル走。その練習方法は何となく知っているが、詳しく知らないという方は多いかと思います。

何となくでやっていると、練習効果を十分に得ることは困難になります。ということで今回は、インターバル走の正しい方法や効果を解説していきます。

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インターバル走とは?

あらかじめ決めた距離を、休息(rest)を挟みながら繰り返し走る練習方法を「インターバル走」といいます。休息(rest)を挟みながらといっても、完全に休息するわけではありません。インターバル走での休息とは、軽いジョギング(不完全休息)のことをいいます。

つまり、【あらかじめ決めた距離をかなり速いペースで走る→軽いジョグをする】というのを繰り返すトレーニングです。基本、疾走と不完全休息の距離は一定にします。

インターバル走の効果

心肺機能・最大酸素摂取量・スピード持久力などの向上効果が期待できるといわれています。そこで「心肺機能の向上・最大酸素摂取量の向上・スピード持久力の向上、どれも同じような意味じゃないの?」などと思い、混乱する方もいるかと思います。

混乱しないように分かりやすくシンプルに説明すると、スピードや持久力など幅広く高めることができ、中長距離走でレベルアップするための能力を上げることができるということです。

ちなみに心肺機能とはスタミナのことで、最大酸素摂取量とは体内に取り込めることができる最大の酸素量のことです。そしてスピード持久力とは、速いスピードを維持して長い距離を走ることができる力のことをいいます。

要は、心肺機能の向上も最大酸素摂取量のアップも、スピード持久力の向上も、同じようなことをいっており、ニュアンスが少し違うだけです。だけど、それぞれ分けて説明しているサイトって多くありますよね。

インターバル走の基本的なやり方

トラック

初心者の中には、「インターバル走って難しいんじゃ」と思う方もいるかと思いますが、とても簡単です。走る距離やペース・行う場所や回数・休息の取り方を決めるだけです。難しくないですよね?

結構速いスピードで走るので、一般的にはグラウンドや陸上競技場のトラックで行われます。それらの場所なら安心してスピードが出せるし、距離が分かりやすいし、アスファルトのように硬くなく、フラットで走りやすいですしね。

もちろん、ロードでも行うことはできますが、できるだけ安全なところで行い、自動車や自転車、歩行者などに注意して行う必要があります。

アスファルトでスピードを出すと足にかかる負担は大きくなるので、できたらグラウンドやトラックでやった方が良いでしょう。

距離は200m~600mで行われることが多く、長い距離だと1,000m~3,000mくらいを繰り返し行います。一般的に、200m~600mのような短い距離はショートインターバルといい、1,000m以上はロングインターバルといわれています。

ペースは心拍数を目安に(8割の力で走る)

インターバル走を行う時、どのくらいの速度で走れば良いのか分からないという方は多くいることでしょう。では、どの程度の速さで走れば良いのかというと、心拍数を目安にすると良いです。

インターバル走を行っている時の心拍数は、120~180の範囲で変動するのが効果的です。つまり、疾走直後が180くらいで、つなぎのジョグ(rest)の時に120~140まで戻すと良いのです。120~180の範囲から大きくはずれる場合は、走る速度や休息時間を上手く調整してください。

最大心拍数は人それぞれ違うので、先ほど示した数値はあくまでも目安になります。ちなみに、初心者の場合は抑え気味に走っても、restで120くらいまで回復するのは困難で、高い値で狭い範囲で変動しがちです。

心拍数を測れる時計などを持っていない方は、感覚的に8割の力で走ると良いでしょう。

行う回数(セット数)

繰り返す回数(セット数)は、走る距離によって違ってきます。ショートインターバルだと10~20回くらい、ロングインターバルだと3~8回くらいが目安になります。ショートインターバルでも200mと400mとでは距離が大分違うので、400mの方が回数が少なめになります。

そして、ロングインターバルも、距離に応じて回数を調整します。レースが近づいてきている調整期では、いつもよりも回数を少なくし、リラックスしてシャープな感じで走ると良いです。

インターバル走の種類と方法

トラック

インターバル走には、ショートインターバル・ロングインターバル・変則インターバル・ダッシュインターバルなどがあります。種類によって特徴は異なるので、目的に合わせて行ってください。では、それぞれ詳しく説明していきます。

ショートインターバル

短めの距離(200~600mくらい)で行います。「なんだか物足りない」「余裕」という場合は、ペースを上げるよりも回数を増やしたり、休息(rest)を短くしたりすることをおすすめします。

【例】

  • 200m×10~20(rest=100m~200m)【レースペースよりも少し速く走る】
  • 300m×10~15(rest=100m~200m)
  • 400m×10~12(rest=200m)【5,000mのレースペースを目安に走る】

ロングインターバル

ちょっと長い距離(1,000m~3,000mくらい)を繰り返し走ります。決めたペースを刻めないという方は、途中でペースを確認すると良いです。距離がちょっと長いので、後半は粘るように走りましょう。

回数(セット数)は、ショートインターバルよりも少なめになります。ロングインターバルは、ペース感覚を養うことや、リラックスした速い走り方を覚えるのに効果的です。

【例】

  • 1,000m×5~8(rest=400m~600m)【レースペースで走る】
  • 1,500m×4~6(rest=600m~700m)
  • 2,000m×3~5(rest=800m)
  • 3,000m×3(rest=800m)【2回目は1回目よりも速く・3回目は2回目よりも速く】

変則インターバル

走る距離や速度、回数などは一定にせず変化させます。一般的なインターバル走にこだわらず、基本を守りつつ変化にとんだ疾走とrestをリピートすることができます。

【例】

  • 100m、200m、300m、400m、500m、600m、700m、800m、700m、600m、500m、400m、300m、200m、100m(restは全て100mジョグ)
  • 100m、200m、200m、400m、400m、600m、600m、400m、400m、200m、200m、100m(restは全て100mジョグ)
  • 【400m(rest=200m)+200m(rest=200m)】×10
  • 1,000m×6(rest=400m)【1本1本のペースを上げていく】
  • 600m×5(rest=400m)【最初の200mと最後の200mは力を入れて走り、中盤の200mはリラックスして走る】

ダッシュインターバル

100mくらいの距離で行います。加速力やスピードの向上に繋がり、スタートダッシュやラストスパートに有効なトレーニングです。

【例】

  • 3,000mジョグ+80m×10(rest=120m)【普通のジョグと混ぜて行う】
  • 60分ジョグ+100m×10(rest=100m)
  • 100m×20(rest=100m)【restは歩く】

その他のポイント

ポイント

中盤や後半の回数の走りがボロボロにならないように、始めの3~5回は余裕を持って走りましょう。設定したペースを守り、決めた回数をこなすことで効果を得やすくなります。

どのインターバル走を行うにしても、軽いジョギングでつなぐのが基本ですが、ランニング初心者は歩いてつないでも構いません。

休息時間は疾走する距離によって違ってきますが、ショートインターバルだと60~90秒くらいが目安になります。休息時間が長すぎると、軽いジョギング(軽いジョグ)でつなぐというインターバル走の特質を失ってしまいます。

最初の何本かは苦しい?

インターバル走の序盤は、心肺機能が順応していないことから少し苦しく感じることがあり、1~3本でやめたくなる方もいることでしょう。

ですが、何本か行い中盤辺りになってくると、心肺機能が順応して少し楽になり、最後までやり通せそうな感じがしてくるので、比較的体が動きにくい序盤は我慢して走ることも大事です。

インターバル走の始めの何本かは、速く走るためのウォーミングアップのような感じになるので、中盤辺りは体が動きやすくなり、少し楽になるのです。

行う頻度は週に1回か2回が良い

インターバル走は慣れていないと全体的に忙しく感じ、完全に休めないことが辛く感じてしまいます。ですが、不完全な休息が身体に良い刺激となり、スタミナやスピードなど中長距離走に必要な能力を上げることができます。

負荷の強いトレーニングになるので、行う頻度は週に1回、または2回までにしておいてください。