「レペティション」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような練習なのか、インターバル走と何が違うのか分からない方は多いのではないでしょうか。
レペティションは、しっかり休息を取りながら、全力またはそれに近いスピードで走る高強度のトレーニングです。
中長距離走に必要なスピードやスピード持久力を高める効果があり、記録向上を目指すランナーにとって非常に有効な練習方法です。
ただし、負荷の高いトレーニングであるため、やり方を間違えるとトレーニングの効率が悪くなるだけでなく、ケガにつながることもあります。初心者ランナーは、無理をせず、自分の走力に合った形で取り入れることが大切です。
この記事では、レペティションの意味、インターバル走との違い、正しいやり方、期待できる効果、注意点までわかりやすく解説します。レペティションを正しく取り入れて、効率よく走力アップを目指しましょう。
この記事の結論
- レペティションとは、目的に応じた距離を全力またはそれに近いスピードで走り、1本ごとに長めの休息を取るトレーニングです。
- インターバル走と似ていますが、レストを長めに取り、できるだけ回復してから次の1本を行う点も大きな違いです。
- スピード向上、回復力の向上、乳酸への耐性強化などの効果が期待できます。
- フルマラソンやハーフマラソンはもちろん、中長距離全般のスピード強化に役立ちます。
- 疾走区間では、フォームを崩さずに全力に近いスピードで走ることが重要です。
- 疲労が強い日は無理をせず、十分なウォーミングアップとクールダウンを行いましょう。
- ランニング初心者は、まずジョギングやペース走で基礎を作ってから取り入れるのがおすすめです。
レペティションとは?インターバル走との違いを解説
インターバル走に似たトレーニングがレペティションです。インターバル走は、あらかじめ決めた距離を速いペースで走った後に、不完全休息をするのを繰り返し行います。
一方、レペティションは、あらかじめ決めた距離をほぼ全力で走った後に完全休息をするのを繰り返し行います。
つまり、インターバル走とレペティションの違いは負荷の強さであり、休息のとり方になります。
インターバル走は速いペースで走るが全力ではなく、rest(休息)は軽いジョギングになります。そのため、心肺機能の向上や、速いペースを維持する能力を高める効果が期待できます。
一方、レペティションは全力で走り、再び全力で走れるようにしっかり休みます。主にスピード強化やフォーム改善、スピード持久力の向上を目的として行われます。
レペティションはかなり追い込むため、結構キツいトレーニングになり、やりたくないという方もいるかと思います。ですがポイント練習として、計画的に行いたいトレーニングの1つです。
レペティションは全力、またはほぼ全力で走ることから、身体の調子によっては自己ベスト更新を狙うことができます。
簡単にまとめると、
- レペティション:しっかり休んでから、全力に近いスピードで走る
- インターバル走:短い休息(軽いジョギング)でつなぎながら、やや抑えた速いペースで繰り返す
という違いがあります。
どちらも効果的なトレーニングですが、純粋なスピードを高めたい場合はレペティション、心肺機能やスピード持久力を鍛えたい場合はインターバル走が適しています。目的に応じて使い分けることが大切です。
インターバル走について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

レペティションの正しいやり方

前述した通り、レペティションは「全力疾走→完全休息→全力疾走→完全休息・・・」といった具合に繰り返し行うトレーニングです。
少なめの回数で、ほぼ全力で走ることから、硬いロードよりもトラックやグラウンドで行った方が良いでしょう。繰り返す回数は、全力で走ることから、インターバル走よりも少なくなります。
では、具体的にどのくらいの回数なのかというと、短い距離(400m程度)だと3~10回くらい、長い距離(1,000m~5,000m)だと2~5回くらいです。
休息時間は5~15分程度です。rest中(休息中)は歩いたり動的ストレッチをするなど、回復を優先する行動をしましょう。
回復を優先するといっても、全く動かないでいるのは良くありません。ある程度の時間じっとしていると、身体が動かなくなりますからね。
【例】
- 400m×10(rest=5分)
- 800m×6(rest=8~10分)
- 1,000m×5(rest=10分)
- 1,500m×3~4(rest=10分)
- 2,000m×3(rest=5~10分)
- 2,000m+1,500m+1,000m(rest=10分)
- 3,000m+2,000m+1,000m(rest=15分)
- 3,000m×2(rest=15分)
レペティションを行う上で大切なことは以下になります。
- スピードは、レースペースから全力の範囲で行うこと(ほぼ全力)
- 目的や調子、レベルなどに応じて距離や回数、ペースを決めること
- 負荷が非常に強いトレーニングなので、行う頻度は少ない方が良い
レペティションで期待できる効果
スピードが上がる
前述した通り、レペティションはほぼ全力で走ります。とても速いペースで走るので、スピードがアップする効果を期待することができます。自己ベストを更新したり、上を目指したりするにはスピードを上げることは必要です。
スピード能力を上げることができれば、スムーズに加速することができたり、レース中のスピードによる余裕度が増したりします。
回復力の向上
ほぼ全力、または全力で数本(3~6本程度)走ることから、回復力が高まる効果も期待することができます。
例えば、トラック競技で1,500mに出場する場合、予選と決勝の2回走ることがあります。決勝でパフォーマンスを発揮するには、予選が終わった後にできるだけ身体を回復させる必要があります。
レペティショントレーニングは、予選が終わった後の決勝に向けての回復する能力を鍛えることができます。回復力を上げることは、駅伝などで1人で何回も走る場合も役立ちます。
乳酸耐性を高める

ハイペースで走っていると、脚が思うように動かなくなり、キツく感じる時があります。それは追い込み度が高いことで、筋肉に多くの乳酸が発生し溜まってしまうからです。乳酸が多く発生して蓄積すると、筋肉の機能は上手く働かなくなってしまいます。
ですが、乳酸耐性が強い方は、乳酸が多く発生するポイントが遅いため、同じスピードで走っていても、パフォーマンスが低下することなく走り続けることができます。
乳酸耐性を強くするトレーニングとして最適なのがレペティションです。レペティションは中長距離走トレーニングの中では非常に負荷の強いトレーニングになるので、乳酸耐性を強くするのに効果的なのです。
乳酸耐性を強くすることによって、ハイペースで脚が動かなくなるポイントを遅くすることができます。
レペティションを行う際の注意点
レペティションは、全力またはそれに近いスピードで走る負荷の高いトレーニングです。高い効果が期待できる一方で、体への負担も大きいため、無理をするとケガにつながることがあります。
安全に行い、レペティションの効果をしっかり引き出すために、実施前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。
ウォーミングアップをしっかり行う
レペティションは、全力またはそれに近いスピードで走るため、十分に体を温めてから行うことが非常に重要です。
準備不足のまま急にスピードを上げると、筋肉や腱に大きな負担がかかり、肉離れなどの痛みの原因になることがあります。
まずは軽いジョギングで体温を上げ、その後に動的ストレッチや流しを数本行うのがおすすめです。徐々に体を動かしていくことで、脚の動きがスムーズになり、レペティションでも本来のスピードを発揮しやすくなります。
特に寒い時期や朝の練習では、体が十分に温まるまで時間がかかることもあります。焦ってスタートせず、「しっかり準備してから速く走る」ことを意識しましょう。
ウォーミングアップを丁寧に行うことは、ケガの予防だけでなく、トレーニングの質を高めることにもつながります。
ウォーミングアップの仕上げにも有効な流し(ウインドスプリント)については、こちらの記事で詳しく解説しています。

疲労が強い日は無理をしない
レペティションは、1本ごとのスピードが非常に速いため、体調や疲労の状態が結果に大きく影響します。
脚の重さが強かったり、睡眠不足で体がだるかったりする日は、無理に実施しない判断も必要です。
コンディションが整っていない状態でレペティションを行うと、予定していたペースで走れないだけでなく、フォームが乱れて故障につながることもあります。特にハムストリングスやふくらはぎには大きな負担がかかりやすいため注意が必要です。
ウォーミングアップの段階で体の動きが重く感じたり、流しをした時にスピードが出ないと感じたりした場合は、その日のメニューを軽いジョギングに変更するのも良い選択です。
レペティションは、疲れている時に無理に行うよりも、身体に強い刺激を入れても問題ない状態で、質の高い1本を走ることに価値があります。身体のコンディションに合わせて柔軟に判断しましょう。
疲労が強い日は、レペティションの代わりに疲労抜きジョグを行うのも良い選択です。

本数をやりすぎない
レペティションでは、1本1本を高いスピードで走るため、本数を増やしすぎると後半にフォームが崩れやすくなります。
レペティションの目的は、疲れた状態で本数をこなすことではなく、質の高い走りを繰り返すことです。
例えば400mのレペティションなら5〜10本、1,000mなら3〜5本程度を目安に行うことが多いですが、適切な本数は走力や目的によって変わります。
最後の数本で大きくペースが落ちたり、動きが明らかに悪くなったりする場合は、本数が多すぎる可能性があります。
「もう少しいけそう」と感じるくらいで終えると、疲労を残しにくく、次の練習にもつなげやすくなります。レペティションでは、量よりも1本ごとの質を重視することが大事です。
ランニングを始めたばかりの走力の低い初心者はやる必要はない
レペティションはほぼ全力で走るので、1本1本集中して行いましょう。
走る脚ができていないランニング初心者は、普通にジョギングするだけでも走力を向上させることができるので、レペティションは特にやる必要はなく、中級者はできるだけ少ない頻度で行うと良いです。
行う頻度が多いとダメージが蓄積しやすく、ダメージが多く蓄積している状態で負荷の強いトレーニングを行うと怪我をしちゃいますしね。
【まとめ】レペティションはスピード強化に効果的な高強度トレーニング
レペティションは、比較的長い休息を取りながら、全力またはそれに近いスピードで走るトレーニングです。中長距離走に必要なスピードやスピード持久力を高めたい時に非常に効果的な練習方法です。
インターバル走と似ていますが、レストを長めに取って、できるだけ回復させてから次の1本を行うため、1本ごとに高い質の走りができます。その結果、スピード向上や乳酸への耐性強化、回復力の向上などが期待できます。
ただし、負荷が高い練習なので、十分なウォーミングアップを行い、疲労が強い日は無理をしないことが大切です。また、本数をやみくもに増やすのではなく、フォームを維持できる範囲で行うようにしましょう。
ランニングを始めたばかりの初心者は、まずジョギングやペース走で基礎を作ることを優先し、ある程度走力がついてから取り入れるのがおすすめです。
自分のレベルや目的に合わせてレペティションを活用し、効率よく走力アップを目指していきましょう。

