【マラソンのペース配分徹底解説】ポジティブスプリット・ネガティブスプリット

マラソン ランナー 足元 マラソン大会のあれこれ

長距離走・マラソンには様々な種類のペースがあります。一定の速さで走ったり、前半から積極的に走ったり、前半抑えて後半上げたりなど様々です。

それらのペースにはそれぞれメリットとデメリットがあり、それを理解した上で自分の目的や特性、走力に合った走り方を選ぶことが大事です。また、レース状況によってペースを変えることが大事な場合もあります。

ということで今回は、長距離走・マラソンのペースについて説明していきます。

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イーブンペース

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スタートからゴールまで一定の速さで走ることを「イーブンペース」と言います。一定の速度を維持して走ることはマラソンの基本であり、ペースの基本でもあります。

スピードが上がったり下がったり激しく変化すると、余計なエネルギーを消耗してしまい、エネルギーをたくさん消耗した割にはタイムはそれほどでない場合が多くあります。

一方イーブンペースは、余計なエネルギーを使うことなく、無駄のない効率的な走り方といえます。ただ、レース後半も一定のスピードを維持するには、かなりの苦しさを伴います。

レースでのイーブンペースは、かけひきを必要としない場面や、駅伝などで1位を独走している場面などに多く見られます。

とにかく、最初から最後まで同じ速さで走ることは長距離走の基本であり、一定の速度を基準としてレースの状況やコンディションなどに合わせて、様々なイーブンペースを身につけていくことが大事です。

ポジティブスプリット

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前半から積極的に速いペースで走ることを「ポジティブスプリット」と言います。いわゆる、前半型のランナー。

スタートから飛ばしていくので、良い記録を期待することができますが、始めから飛ばすことから、後半バテやすいというリスクがあります。つまり、ポジティブスプリットはオーバーペースになりやすいということです。

レースなどで新記録が出る際は、最初から積極的に飛ばしていく走り方をしているケースもあるため、ポジティブスプリットは悪い走り方ではありません。

フルマラソンなどの長距離レースになると、後半失速するリスクは更に高まるため、飛ばしすぎには注意が必要です。

ポジティブスプリットは、ペース感覚がない初心者がすることが多く、練習量が少なくスタミナに自信がない方は避けたほうが良い走り方といえます。

ネガティブスプリット

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前半抑え気味で走り、後半上げていく走り方を「ネガティブスプリット」と言います。前半良い感じで抑え、後半上手にペースを上げていくことで好記録が期待できます。

前半抑え気味で走るので、オーバーペースになりにくい走り方ですが、前半抑えすぎることで良いタイムが出ない場合もあります。また、前半抑えたからといって、後半必ず上がるわけではありません。

ですが、レースのコンディションや身体のコンディションが悪い時、スタミナに不安がある場合は、前半ある程度余裕をもって走ることは大事です。

体調が悪かったり、怪我をしていたり、スタミナに不安があることから前半スローペースで走っていたら意外と調子が良く、徐々にペースが上がっていくケースもネガティブスプリットになります。

「ネガティブスプリットは良い記録が狙える走り方」という方は多くいますが、タイムよりも順位や勝負を意識した時に見られることの多い走法でもあります。

揺さぶるような走り方

ペースが上がったり下がったりする走り方もあります。いわゆる「揺さぶり型」で、勝負でのかけひきをする場面で見られることがあります。

スピードの上げ下げが何度も行われるので体力の消耗が激しく、辛く苦しく感じます。そのため、満足のいくタイムは期待できないでしょう。

良い結果を出すにはどのペースが良いのか?

以上、長距離走のペースについて説明してきました。では、良い記録を出すにはどのペースが適しているのかというと、フルマラソンのような長い距離は、ネガティブスプリットを意識して走ることをおすすめします。

それは、長い距離のレースは多くのスタミナが必要になり、ネガティブスプリットのつもりで走っていて、後半上げることができなくても、後半の落ち込みを防ぎやすいからです。フルマラソンで最初から積極的に速いペースで走って、失敗する人って多くいますよね。

10kmや5kmのレースなら、スタミナに自信があればポジティブスプリットでスタートから積極的に走るのもありです。

なぜなら、10,000mや5,000mでは、ポジティブスプリットで記録更新した人は多くいるからです。つまり走る距離によっては、前半のスピードの重要性は増すということです。