あなたは「ウインドスプリント(流し)」という練習方法を知っていますか?陸上競技部に入っていた方は知っているかと思いますが、ランニング初心者の中には知らない方もいることでしょう。
そこで今回は、ウインドスプリントの意味やメリット、行う方法などを解説していきます。
ウインドスプリント(流し)って何?
ウインドスプリントとは、100~300mの距離を、70~80%の力で3~6本走ることを言います。とはいっても、中には90~100%で走る方もいます。まあ、全力で走るとウインドスプリント(流し)にならないですけどね(笑)。ちなみに、多くの場合は100mくらい走ります。
ウインドスプリントには別の呼び名があり、この記事のタイトルを見て分かるように「流し」と言う人もいます。また、「快調走」や「惰性走」と言う人もいます。
主にランニングなどの本練習後に行われることが多いトレーニング方法ですが、本練習前に行う場合もあります。
タイムトライアルやペース走などの本練習前に行うことによって、身体の動きを良くすることができ、本練習の最初からパフォーマンスを発揮しやすくなります。
ウインドスプリント(流し)を行うメリット
速いスピードで走ると、身体の動きは大きくなります。そのため、ウインドスプリントを行うとフォームがダイナミックになります。ジョギングなど、ゆっくり走っているとフォームは小さくなりがちになりますよね。
小さいフォームが身についてしまうと、走るのが遅くなってしまいますが、流しを行うことで身体を大きく使うことができ、フォームが小さくなるのを防ぐ効果が期待できます。
フォームが大きくなることで、スピードが上がりやすくなります。筋肉に刺激が入ることも、スピードアップに繋がります。
流しを適した本数行うことによって、持久力や心肺機能を高めることができ、スピード持久力を高めることもできます。行う距離が短いので、集中しやすいというのもメリットですね。
ウインドスプリントは基本フォームの矯正的意味合いや補強的意味合いで、ジョギングやペース走などの練習後に行われます。
レース(大会)やタイムトライアルなどのウォーミングアップで、動きを良くするために行われることもあります。
気持ち良く走れればストレス解消にもなる
短い距離を速いペースで気持ち良く走ることで爽快感を感じ、走った後に心がスッキリします。そのことによりストレスが解消されるので、気持ちをリフレッシュすることができます。
ですから、気持ち良く練習を終わらせたいという方にも、練習の最後にウインドスプリント(流し)を行うことをおすすめします(そこそこきついですが)。
基本的な方法
前述した通り、100~300mの距離を、70~80%の力で走るのがウインドスプリントです。ですが、状況や目的に応じて90~100%の力で走ってもかまいません。
全力で走れば流しにはならなく、強い負荷による疲労が蓄積し、翌日の練習に影響してしまうので、強い負荷による疲労を溜めたくない方は全力で走らないようにしましょう。
走る距離の3分の1くらいが加速する区間で、残りの3分の2は惰性走の区間になります。惰性走といっても70~80%くらいの速さを維持して走ります。名前の通り、風に乗ったような感じでスピードを出し、流すように走りましょう。
100mの流しを行う場合の基本的な方法は、【100mを70~80%の力で走る→100mゆっくり走る→100mを70~80%の力で走る→100mゆっくり走る】といった具合に7、8割の力で疾走するのと休息ジョグを繰り返し行います。では、何本行えば良いのかというと、3~6本くらいです。
ちなみに私は高校生の頃、そこそこ速い陸上競技部長距離走に1年間所属していましたが、いつも練習の最後に100mのウインドスプリントを6本やらされていました。本練習が終わった後の流しは、とても辛かったです(笑)。
なぜ辛かったのかというと、疲労困憊の状態だし、他の人はもの凄い速さでやっているので、自分が手を抜くわけにはいかないと全力に近い感じで行っていたためです。
行う場所
ウインドスプリントは、土のグランドや陸上競技場のタータンの上など、比較的柔らかく平坦なところで行うのがベストです。
やはり、アスファルトなどの硬い場所で速く走ると、脚にかかる負担は大きくなり、大きなダメージを受けてしまいます。ですから、土のグランドや陸上競技場のトラックで行うのが安全で理想的です。
グランドや陸上競技場なら距離が分かりやすいので、とてもやりやすいです。アスファルトの道路で行う場合は、交通量が少なく、安全な場所で行うようにしてください。速いスピードで走るため、歩行者や自転車などには十分注意しましょう。
行う上で注意することとは?
ウインドスプリントは、身体が温まっていない状態で行うと怪我をしやすくなります。ある程度速いスピードで走るので、身体が温まっていない状態でいきなりやると怪我しやすくなるのは当然ですよね。そのため、ウォーミングアップを全くしていない状態でやるのはNGです。
また、力み過ぎてフォームがバラバラにならないように注意することも大切です。速く走ろうとすると力みすぎてしまうことがあり、フォームがバラバラになると効率的に走ることができなくなる上に、バランス悪く負荷がかかり、脚を痛めてしまうこともあります。
前述した通り安全な場所で行い、周囲に気を配り、事故が起こらないように十分注意して走ってください。