ランニングやマラソンで疲労が蓄積していくと、怪我をするリスクは高まっていきます。また、毎日強い負荷がかかる練習を行うと、筋肉は回復する暇がなくなり、パフォーマンスは低下していきます。
怪我を防ぎ、効率的に強くなるには、上手に疲れを回復させることが大事で、疲労回復を促す方法として「疲労抜きジョグ」があります。
疲労抜きジョグとは積極的休養のこと
ランニングやマラソンの疲れを抜く方法として、完全休養と積極的休養があります。完全休養とはその名の通り、運動を全く行わないで身体を休めることをいいます。
一方、積極的休養とは、疲労が溜まらない程度に軽く運動して、血流を良くすることでリカバリーを促すことをいいいます。
その積極的休養の1つになるのが疲労抜きジョグです。走ると逆に疲労が溜まりそうな気がしますが、軽く走ることによって筋肉にダメージを与えず、血流は良くなり、疲労を抜くことができます。
疲労抜きジョグは主にハードな練習をした翌日やレースの翌日などに行います。負荷の強い練習を行った翌日に疲労抜きジョグを行うことで、調子を維持して回復を促すことができます。
ですが、マラソン大会やレースなどで身体のダメージが大きすぎる場合は、完全休養することをオススメします。怪我をしていなくても、ダメージが大きすぎて怪我をしているような状態だと、走ることによって重症になるほどの怪我をしてしまう可能性がありますからね。
疲労抜きジョグの期待できる効果
効果1.疲労が抜ける
疲労抜きジョグというぐらいですから、もちろん疲労が抜ける効果を期待することができます。インターバル走やペース走など負荷の強い練習を行うと、身体は酷く疲れてしまいます。また、普通のジョギングでも、いくらか疲労は蓄積してしまいます。
そうした練習を休みなく続けていると、疲労はどんどん蓄積していき、パフォーマンスは低下していきます。脚にはダメージが蓄積していくので、怪我をしやすくなります。
疲労が蓄積するような練習を毎日続けていると、いつまでたっても回復することはできなく、オーバートレーニング症候群に陥る恐れもあります。それでは強くなることができませんよね?
ですから、スピード練習などで強い負荷をかけた翌日とかは、疲労が抜けるような練習をすると良く、それに適した練習が疲労抜きジョグなのです。
軽く走ることで筋肉はほぐれ、血流を良くすることができます。それが身体のリカバリーに繋がるので、練習メニューに疲労抜きジョグを上手く取り入れていきましょう。
効果2.怪我をするリスクが低くなる
疲労の蓄積が怪我をするリスクを高める要因になるため、疲労抜きジョグで疲労を抜けば、脚を痛めるリスクは低くなります。脚を故障しても状態によっては走ることはできますが、怪我が酷いと走ることは困難になります。
走ることができなくなれば、当分ランニングを休まないといけなくなり、走るのを長期間休めば、持久力や筋力は低下してしまいます。
そうすると、治ってから元に戻すのに時間がかかってしまいます。それでは効率が悪いので、疲労抜きジョグを上手く入れて、怪我を防ぐことは大事なことです。
効果3.調子を維持しやすい
疲労抜きジョグをして疲れを抜くことにより、身体のコンディションを維持したまま次の練習を行うことができます。それは、疲労が抜ければという話ですが、疲労が抜けることによって質の高い練習を行うことができます。
つまり、「回復」と「負荷をかける」ことを繰り返すと練習効果を高めることができ、レベルアップすることができるのです。
疲労抜きジョグを行う上でのポイント
疲労抜きジョグで重要なことは、疲れが溜まらないジョギングをするということです。ダメージが蓄積すると疲労抜きジョグになりませんからね。
では、疲労が抜けるジョグとはどのようなジョグなのでしょうか?疲労抜きジョグを行う上でのポイントは以下になります。
疲労が溜まってしまっては意味がないので、余裕を持って走ることが大事です。身体にかかる負荷が少なくなるような、血液の流れが良くなるようなイメージで走ると良いです。
「4km走ろう」「7km走ろう」などと距離を決めて走ると、走るペースが速くなりがちになります。走るペースが速くなると負荷が強くなって疲れてしまいます。そのため、「30分走ろう」「40分走ろう」などと時間で決めて走ることをオススメします。
とはいっても、人によっては距離を目安にしたほうが走りやすいという方もいるので、時間を目安にするのか、距離を目安にするのかは、自分に合っているほうを選ぶと良いです。
リカバリーが目的なので、できるだけアスファルトなどの硬い路面は避け、芝生やタータンなど足に優しい路面で走ったほうが良いです。
走るペースは、キロ〇分とか決まっていません、それは、人によってレベルが違うし、身体の状態も違うからです。とにかく、楽に感じるゆっくりとした速度で走ることが重要です。
脚に優しいランニングシューズを履くことも大事
疲労抜きジョグをしているのに、脚へのダメージが大きいシューズを履いていては意味がありません。
クッション性が低いシューズを履いて着地時の足への衝撃が大きくなれば、疲労抜きジョグで軽く走っても、疲労が抜けずにダメージが蓄積してしまう可能性があります。
特にアスファルトでクッション性の低いシューズを履くと、脚に加わる衝撃(ダメージ)は大きくなります。
ダメージが蓄積してしまうと、疲労抜きジョグをやっている意味がなくなってしまいます。それでは非効率なので、地面に接地する際の衝撃が小さいランニングシューズ、クッション性に優れたランニングシューズを履いて疲労抜きジョグを行いましょう。
ペースを上げたくなっても我慢しましょう
疲労抜きジョグはゆっくり走ることが大事です。ランナーが多いところでゆっくり走ると、他のランナーに抜かれることが多々あります。
他のランナーに抜かれると「負けるか」などと思ってペースを上げたくなる方もいるかと思いますが、張り合おうとしないで自分のペースでゆっくり走るようにしましょう。
疲れていて疲労抜きジョグをしているのに、ムキになって力を出して走って、ますます疲労が蓄積しては効率的ではありません。強くなるために、抜かれてもグッと我慢して、自分のペースで軽く走りましょう。
疲労抜きジョグ意味ないのは走力の低い初心者
「疲労抜きジョグは意味がない」という方も中にはいますが、意味はあります。当たり前のことですが、上手に疲労が抜けるジョギングを行い、疲れが取れれば意味はありますよね。
疲労抜きジョグは意味ないという方は、疲労抜きジョグの方法が間違っている方、もしくは走力の低い初心者です。
走る脚ができていない初心者は、軽く走っても疲れが溜まってしまうので、疲労抜きジョグを行うのは意味がないのです。