ランニング・マラソンが速くなりたいと思うと、「もっと練習しなければ」と考える方は多いでしょう。しかし、走力向上にはトレーニングだけでなく、適切な休養も欠かせません。
実は、身体はトレーニング中ではなく、回復している過程で強くなると考えられています。この考え方としてよく知られているのが「超回復」です。
とはいえ、超回復という言葉は聞いたことがあっても、「どのくらい休めば良いの?」「毎日走っても大丈夫なの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、超回復の基本的な考え方や休養の重要性、効率よく回復するためのポイントについて解説します。ランニング・マラソンのトレーニングをしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の結論
- 超回復とは、トレーニング後の回復過程で、身体が以前より高いレベルの状態になるとされる考え方
- ランニングやマラソンでも、練習だけでなく回復を意識することが大切
- 超回復を促すには、栄養補給や十分な睡眠が欠かせない
- 疲労抜きジョグはコンディション調整や回復のサポートに役立つ
- 強度や距離を調整すれば、毎日走ることも可能
- ランニング初心者は無理に毎日走らず、完全休養日を設けるのがおすすめ
- 休養不足だけでなく、休みすぎにも注意が必要
長距離走が速くなりたいのなら、練習量を増やすことだけを考えるのではなく、回復にも目を向けることが大事です。トレーニングと休養のバランスを意識しながら、メリハリのある練習を継続していきましょう。
超回復とは
超回復とは、トレーニングによる身体への負荷によるダメージを回復する過程で、以前よりも高いレベルの状態になる現象を指します。
筋力トレーニングの分野でよく使われる言葉ですが、長距離走のトレーニングにも関係する考え方です。
一般的には、トレーニングによって疲労した筋肉が休養や栄養補給によって回復し、その後に以前よりも強い状態になるとされています。
そのため、走力向上を目指すには強度の高い練習だけでなく、回復のための時間を確保することも重要です。
ただし、超回復にかかる時間には個人差があります。年齢や走力、トレーニング内容、睡眠時間、栄養状態などによっても回復のスピードは変わるため、「〇時間休めば必ず回復する」とは言い切れません。
また、一般的に紹介される超回復の時間は、筋力トレーニングを前提としている場合が多いです。長距離走・マラソンでは身体への負担が大きく異なるため、フルマラソンや高強度のポイント練習を行った後は、回復までにより多くの時間が必要になることもあります。
私自身、超回復を意識したトレーニングは非常に難しいと感じています。筋肉の状態や疲労の度合いは目で確認できるものではないため、日々の体調や走った感覚を参考にしながら練習内容を調整することが大切です。
超回復を促すのに必要なこと

超回復を促すには、ただ休むだけでは不十分です。トレーニングで受けたダメージから効率よく回復するためには、栄養補給や睡眠、適度な運動によるコンディション調整も重要になります。次は、超回復をサポートするために意識したいポイントを紹介します。
栄養をしっかり摂る
トレーニング後の回復を促すためには、栄養をしっかり摂ることが大事です。どれだけ質の高い練習を行っても、身体の材料となる栄養が不足していては十分な回復は期待できません。
特にランナーは、エネルギー源となる炭水化物と、身体の修復をサポートするたんぱく質を意識して摂取しましょう。また、ビタミンやミネラルもコンディション維持に欠かせない栄養素です。
栄養補給は特別な食品に頼る必要はありません。主食・主菜・副菜を意識しながら、できるだけバランスの良い食事を心掛けるようにしてください。日々の食生活を整えることが、超回復をサポートし、着実な走力向上につながるでしょう。
睡眠時間を確保する
超回復を促すためには、十分な睡眠を確保することも重要です。人間の身体は睡眠中に疲労回復が進むため、睡眠不足の状態が続くとトレーニングで受けたダメージが回復しにくくなります。
その結果、疲労が蓄積しやすくなり、練習の質が低下する原因になることもあります。また、睡眠不足は集中力の低下や体調不良につながる可能性もあります。
長距離走・ランニングのパフォーマンスを維持するためにも、睡眠時間を削って練習量を増やすのはおすすめできません。
走力アップを目指すなら、トレーニングだけでなく睡眠も大切な練習の一部と考えましょう。質の高い練習と十分な睡眠を組み合わせることが、効率的なレベルアップにつながります。
疲労抜きジョグを活用する
超回復をサポートする方法の一つが、疲労抜きジョグです。疲労抜きジョグとは、疲労回復を目的として行う負荷の低いジョギングのことです。ポイント練習やレースの翌日に軽く身体を動かすことで、コンディションを整えやすくなります。
一般的には、軽い運動を行うことで血流が促され、疲労回復をサポートすると考えられています。そのため、完全休養よりも軽いジョグのほうが身体が楽に感じるランナーも少なくありません。
ただし、疲労抜きジョグは頑張るための練習ではありません。ペースを上げすぎたり長時間走ったりすると、かえって疲労が蓄積する可能性があります。会話ができるくらいの楽なペースを意識し、身体の回復を優先しましょう。
ポイント練習で身体に刺激を入れ、疲労抜きジョグでコンディションを整える。このように練習にメリハリをつけることが、長距離走で強くなるためには大事なことです。
疲労抜きジョグのやり方や効果について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

毎日走っても大丈夫?
「超回復を考えると毎日走らないほうが良い」という意見を見かけることがあります。しかし、ランニングは必ずしも毎日走ってはいけないというわけではありません。大切なのは、走る頻度よりもトレーニングの強度や距離を適切に調整することです。
毎日ポイント練習のような高強度のトレーニングを続ければ、ダメージは蓄積していきますが、疲労抜きジョグなどの負荷が低い練習を組み合わせれば、毎日走ることも可能です。
実際、多くのランナーはポイント練習の日とつなぎの練習の日の、メリハリをつけながらトレーニングを継続しています。ですが、痛みがある場合や精神的にリフレッシュしたい場合は、完全休養したほうが良いです。
自分の体調や疲労度に合わせて練習内容を調整すると良いでしょう。ただし、ランニング初心者の場合は考え方が少し異なります。
ランニング初心者は完全休養日を設けよう

ランニング初心者の場合は、無理に毎日走る必要はありません。まずは走る習慣を身につけながら、身体を徐々にランニングに慣らしていきましょう。
走り始めたばかりの頃は、短い距離やゆっくりしたペースのジョギングでも身体に大きな負担がかかります。
そのため、ベテランランナーなら疲労抜きジョグとして行えるような練習でも、初心者にとっては十分なトレーニングになることがあります。疲労が抜けきらない状態で走り続けると、怪我やモチベーション低下の原因になる可能性があります。
特に走り始めたばかりの時期は、週に数日程度の完全休養を設けながら、無理のないペースで継続することを優先しましょう。
また、完全休養日は身体を休めるだけでなく、気分転換にもなります。ランニングを長く続けるためにも、トレーニングと休養のバランスを意識することが大事です。
私自身は、週に1日は完全休養日を設けています。身体を休められるだけでなく、気持ちのリフレッシュにもつながるためです。
休養の取りすぎには注意
長距離走の練習では、休養もトレーニングの一部です。しかし、当然のことですが、休めば休むほど走る力が伸びるわけではありません。トレーニングによって身体に適切な刺激を与え、その後に回復することで走力向上が期待できます。
そのため、長期間まったく走らない状態が続くと、せっかく積み重ねてきた体力や走る感覚が、徐々に低下してしまう可能性があります。
もちろん、怪我をしている場合や強い疲労が残っている場合は十分な休養が必要です。しかし、身体の状態に問題がないのであれば、休養後はトレーニングをしたほうが良いでしょう。
大事なのは、休養とトレーニングのバランスです。休養不足による疲労の蓄積にも注意しながら、休みすぎによるコンディションの低下も防ぐことが、長距離走が速くなることにつながります。
もし、漫画「ドラゴンボール」に出てくる仙豆があれば、毎日ポイント練習できそうですが、現実はそうはいきません(笑)。
【まとめ】超回復を意識してメリハリのある練習をしよう
長距離走で走力向上を目指すなら、練習と休養のバランスを意識するようにしましょう。トレーニングによって身体に強い負荷を加えるだけでは十分ではありません。栄養補給や睡眠、適切な休養によって身体を回復させることで、次のトレーニングに良い状態で取り組めるようになります。
一方で、疲労を恐れたり、サボったりして、休養ばかり取っていると、走力の維持や向上は難しくなります。大事なのは、身体の状態に合わせて練習メニューを考えることです。
ポイント練習で身体に刺激を入れ、ジョギングや疲労抜きジョグや休養でコンディションを整える。このようにメリハリのあるトレーニングを継続することが、長期的なレベルアップにつながるでしょう。
ポイント練習とつなぎの練習については、こちらの記事で詳しく解説しています。


