暑熱順化にも限界がある!人間はランニング中の暑さには勝てない

気温上昇中 ランニングのあれこれ

あなたは「毎日暑い中ランニングをしていれば、暑さに慣れるんじゃない」などと思ったことはありませんか?確かに、毎日暑い環境下にいれば、身体は少しずつ暑さに慣れていきますが、暑さに慣れるにも限界があります。

暑さに慣らそうとすることで、上手に汗をかける身体になり、体温調節を上手く行えるようになって暑さに順応することを「暑熱順化」といいます。

でも、暑熱順化したからといって、暑い日でも普通に走れるわけではなく、暑いとやはり運動能力は低下するし、つらすぎて修行のような感じになりますし、油断していると熱中症で倒れてしまいます。

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私の真夏のランニングの経験談

私は昔、仕事の関係上、毎日昼間走っていました。真夏ももちろん昼間走っており、私が走るコースは日陰のところがほとんどなく、暑すぎてとても辛かったです。

毎日33℃以上の年もあり、一番暑い時間帯に走っていたけど、暑さには全く慣れませんでした(まあ、実際は暑さに強くなっているのだろうけど)。

暑さに慣れるどころか日に日に身体は衰弱していき、暑さで倒れそうになったことが何回もあります。衰弱していったのは、熱によるダメージが蓄積していった影響でしょう。

ジョギング中、命の危険を感じてさすがにやばいと思ったこともあり、その時は意識を失わないようにギュッと集中しながら、脚を前に動かすことだけを考え、フラフラになりながらなんとか家に帰ったこともあります。

そのようなことから「暑熱順化しても、人間は暑さには勝てない」と感じています。

とはいっても、暑熱順化することは無駄ではなく、暑熱順化することによって暑さで倒れるリスクを低くすることができますし、暑さに順応していない人よりもアクティブに動くことができます。倒れるリスクが低くなることで、人に迷惑をかける可能性も低くなりますよね。

2019年ドーハの女子マラソンでは棄権者が4割超

2019年ドーハの世界陸上女子マラソンでは、暑さによって棄権者が続出しました。深夜に行われ、もちろん日差しはありませんでしたが、気温と湿度が高かったです。

各国のトップクラスのランナーにとっても非常に厳しい環境だったようで、全体的なタイムも遅かったです。そのことからも分かりますが、暑さに強い人間でも暑さには敵いません。

夏の暑い中でのランニングでは十分注意しましょう

この記事で言いたいことは、「暑熱順化して暑さに慣れても、しょせん人間は暑さに勝てない」ということと、「暑さによってパフォーマンスが低下するのは仕方がない」ということです。

ウォーミングアップで適度に身体を温めることはパフォーマンスのアップに繋がりますが、暑い環境で過度に身体が温まる(体温が上昇しすぎる)ことはパフォーマンスの低下に繋がります。

暑さに自信がある方でも熱中症には十分注意してください。暑い中のランニングでは亡くなるリスクも少なからずあるので、暑さを舐めてはいけません。夏に走る時は、暑さ対策を十分に行い自分の身をしっかり守りましょう。

暑さに身体を慣らしていくベストなタイミング

一年中ランニングをしている方にとっては、暑熱順化を行うベストなタイミングを知る必要はないでしょう。

なぜなら、春・夏・秋・冬、一年中走っている訳ですから、ベストなタイミングを知らなくても、暖かい気候になるに従って、暑い気候になるに従って、無理なく自然と暑熱順化を行うことができるからです。

ですが「一般人に適した暑熱順化を無理なく行えるタイミングを知りたい」という方もいることでしょう。

では一般的には、いつから暑さに身体を慣らしていけば良いのかというと、寒さで外に出るのが億劫になる冬が終わり、身体を動かしたくなるくらい暖かくなってきた時から運動(散歩やジョギングや自転車など)をして慣らしていくと良いです。

春の暖かい環境下で、散歩(ウォーキング)やジョギングなどを行うと、運動中に少し暑く感じ、結構汗をかきますよね。

暑熱順化の準備として、その少しの暑さに身体を慣らしていき、気温が高くなるに従って徐々に身体を暑さに順応させる、というように行うと無理なくスムーズに暑熱順化を行うことができます。

暑くなってから短期間で身体を慣らそうとすると、身体が参ってしまいます。暖かくなる時期から徐々に慣らしていけば、体や心への負担は少なく、安全だといえます。