あなたは、ランニング中やレース中に脇腹(横っ腹)が痛くなったことはありませんか?走っている時に脇腹が痛くなると、とても辛いですよね。
息を切らして頑張って走るのは、ただでさえ苦しいのに、脇腹痛が起きることで二重の苦しさになります。では、ランニング中やレース中に脇腹痛が起きる原因とはどのようなことなのでしょうか?
今回は、ランニングしている時の脇腹痛の原因と対策を解説していくので、よかったら読んでみてください。
走っている時に起こる可能性のある脇腹痛とは?
ランニングをしている時に起こる可能性のある脇腹痛。脇腹痛とはその名の通り脇腹(横っ腹)に痛みが出ることで、「差し込み」と言う方もいます。
走ることに慣れていない方に起こりやすい症状ですが、走り慣れている方にも起こる症状です。
初心者ランナーの場合、長距離走に身体が慣れていないことで横っ腹が痛くなってしまいますが、ベテランランナーの場合は、オーバーペース・走るペースが速すぎる(酸素不足)・食事をしてから比較的すぐに走る・久しぶりに走るなどのことが原因で起きる場合があります。
つまり、脇腹痛は、初心者だけでなく誰にでも起こる可能性があるのです。ちなみに、「オーバーペース」と「走るペースが速すぎる」の意味は同じだと思う方もいるかと思いますが、ニュアンスが微妙に違うので分けて書きました。
ランニングやレースで起きる脇腹痛の原因
右側の脇腹が痛くなる主な原因
走っている時に右側の脇腹に痛みを感じる場合は、横隔膜が引っ張られていることが痛みの原因として考えられます。
腹部の右側には横隔膜や肝臓が存在します。ランニングをすると身体は揺れ、肝臓も揺れます。肝臓が大きく揺れることで横隔膜が引っ張られてしまい、右側の脇腹に痛みを感じてしまいます。
走るペースが速すぎたり、上下動の大きいフォームをしていると右脇腹痛は起きやすくなります。
また、オーバーペース・ちゃんとウォーミングアップをしていない(慣らしもしないでいきなり高出力で走る)、などのことで横隔膜が痙攣することも要因になります。
左側の脇腹が痛くなる主な原因
腹部の左下あたりには脾臓(ひぞう)という臓器があります。脾臓には、血中の古くなった赤血球を壊す・身体に入ってきた細菌や病原菌などの敵をやっつける抗体を作る・新しい血液を貯める、などの働きがあります。
身体を全く慣らさないでいきなり走ると脾臓は収縮し、貯めておいた血液を筋肉に運ぼうとします。そのように脾臓が活発的に働くことで、左側の脇腹に痛みを感じてしまうことがあります。
また、大腸に溜まっているガスや便も要因になる場合があります。お腹の左側あたりは大腸が急に曲がっており、ガスや便が溜まりやすい部分です。その部分にガスや便が溜まることで、走っている最中に左側の脇腹が痛く感じてしまう場合があるのです。
ランニング・レース中に脇腹痛が起きた時の対策
走るスピードを落として深呼吸を行う
横っ腹の痛みは、酸素不足で起こる場合もあります。走るペースが速いほど酸素が必要になり、ハアハアと息は上がりやすくなります。
多くの酸素が必要なのに、酸素を十分に取り込むことができないと、内臓などへの血流は不足してしまい、酸欠になってしまいます。
それが脇腹が痛くなる要因になる場合があるので、ランニング中に脇腹が痛くなったら走るスピードを落として、深呼吸をしましょう。
深くゆっくりとした呼吸をある程度続けて、しっかり酸素を取り込むことで、脇腹の痛みが治まることもあります。
ちなみに私はフルマラソンで差し込みが起きたことがありますが、深呼吸をしていたら緩和しました。差し込みが起きた時の数kmは、1kmあたり30秒以上落ちて辛かったです。
痛みがある側の脇腹を伸ばす
走っていて脇腹に痛みを感じた場合は、脇腹をストレッチしてみるのも良いでしょう。体を横に曲げて、脇腹をストレッチすることで痛みが治まる場合があります。
右側の脇腹痛の場合は、右手を真上にまっすぐ挙げて、右側の脇腹を伸ばすように体を左に曲げます。
左側の脇腹痛の場合は、左手を真上にまっすぐ挙げて、左側の脇腹を伸ばすように体を右に曲げます。
体を横に曲げて脇腹を伸ばすことによって、横隔膜がリラックスする・横隔膜が正しい位置に戻る・大腸の部分的に溜まっているガスがバラける、などの効果を期待することができ、脇腹痛が治る場合があります。
無理をしないで歩く
深呼吸やストレッチなどを行っても脇腹痛が治らない時は、ウォーキングに切り替えるのも1つの手です。
ランニングからウォーキングに切り替えて呼吸を整えているうちに、脇腹の痛みが治る場合もあります。
走るペースが速すぎたり、ちゃんとウォーミングアップをしていないことが原因の場合は、ウォーキングに切り替えることで早く治ることでしょう。
痛みを我慢して頑張って走る
大事なレース(大会)に出ていてタイムを狙っていたり、上位を狙っている時は、痛みを我慢して頑張って走るしかありません。
立ち止まらずに我慢して頑張って走るにしても、深呼吸するくらいはできるので、できる対策は行いましょう。
つまり、強い気持ちを持つことも脇腹痛対策の1つになります。まあ、強い気持ちを持っていても、脇腹痛(差し込み)はきつく「根性だけではどうしようもない」と思いますけどね。
私はフルマラソンで、33~34km辺りで差し込みが起きたことがあり、その時は絶望感を感じましたが、必死になって走り続けました。
ランニングやレースでの脇腹痛の予防法
腹筋を鍛える
走っている時に大きく内臓が揺れて、横隔膜が引っ張られることで脇腹が痛む場合があるため、腹筋を鍛えることが予防法の1つになります。筋トレで腹筋を鍛えて強くすることで、内臓の揺れを軽減させることができます。
運動不足でランニングを始めたばかりの方は腹筋が弱いため、内臓が大きく揺れることで脇腹痛が起きることがあります。
ですから、腹筋が弱い方は腹筋を鍛えて強くしましょう。お腹周りを鍛える方法としては、プランクがおすすめです。
ウォーミングアップをしっかり行う
全くウォーミングアップをしないでいきなり速いペースで走り始めると内臓が驚き、横っ腹が痛くなることがあります。
ランニングをする時は動的ストレッチや軽めのジョグをするなどしてウォーミングアップをしっかり行い、身体を慣らしておきましょう。
食後3~4時間は空ける
食後すぐに走ると、筋肉に血流が集中し、消化する働きは低下してしまいます。消化不良は横っ腹が痛くなる要因になるので、食事をしたら3~4時間は空けて走るようにしましょう。
揚げ物など消化に時間がかかるものを食べた時は、4時間以上空けると良いです。食事をする暇がなく、できるだけすぐに走りたい場合は、ゼリー飲料やバナナなどお腹に優しい物を食べてエネルギーを補給しましょう。
ある選手の対処法と予防法
ランニングをしていて横っ腹が痛くなると、走ることが辛く感じてしまいます。レースなどで追い込んで苦しみながら走っている時に脇腹痛が起きると、更に苦しくなってしまいます。
走っている時の苦しさを増やさないためにも、ここの記事を参考にして脇腹痛の対策や予防を行ってください。
差し込みは腸に溜まったガスが原因になることもあるので、レース前は食物繊維を摂りすぎないようにしてください。
ちなみに、トップランナーの大迫傑選手は、脇腹の肋骨あたりを押さえて下げるようにすると痛みが緩和されるそうで。レース中、対処法としてだけでなく予防としても行っています。