ラストスパートは誰でもできる|長距離走・マラソンで最後に上げる本当のコツ

陸上 長距離走・マラソンの走り方(フォーム)

あなたは、マラソン大会でラストスパートしていますか?「最後はバテしまって、ラストスパートすることができない」という方もいるかと思います。しかし、ラストは誰でも頑張って力走できるものです。

ラストスパートは気持ちはもちろん大事であり、仕掛けるタイミングと仕組みも深く関係しています。

私の場合、レースでの短距離のラストスパートは「長くて残り250mくらいから」と感じています。それよりも長くなると、途中で垂れる可能性が高いからです。

この記事では、長距離ランニングにおける、

  • 短距離のラストスパート(無酸素寄り)
  • ロングスパート(有酸素寄り)

この2つのスパートの使い分けと、具体的なコツを解説いたします。

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ラストスパートは誰でもできる

基本、ラストスパートは誰でも行うことができ、「ハアハア」と息が上がって疲れ切っていても行うことができます。

それはなぜかというと、最後の短い距離のラストスパートで使う力は「無酸素運動の力」だからです。

長距離走では主に「有酸素運動の力」で走っているため、あと少しでゴールという場面でも「無酸素運動の力」は残っています。無酸素運動は長くは続きませんが、短時間であれば強い力を発揮できます。

ですから、誰でもラストスパートを行うことは可能であり、最後は速く走ることができると考えています。

「もう限界だ」と感じていても、それは有酸素の限界であって、無酸素の力がゼロになっているわけではありません。

残り100~250mくらいなら、エネルギーの種類を切り替えることで、もう一段上げることが可能です。

ラストスパートをする時のコツと距離

コツは以下になります。

  • 失敗を恐れないこと
  • タイミングを見計らって迷わずに思い切ってギアを切り替えること
  • 残り100m~300mになったら自信を持って全力で走ること(300mだとやや長いが、可能性があることを考慮して)
  • 途中で気を抜かず、ゴールまで集中し続けること

なかには「最後までもたないんじゃ」などと思って躊躇する方がいますが、失敗を恐れていたらラストスパートすることはできません。

失敗を恐れないで、思い切ってギアを切り替え、ゴールまで集中し続ければ案外ゴールまでいけるものです。

ギアを切り替えたら、16秒、あるいは36秒、あるいは1分くらい集中するだけなので、とても簡単です。

急激にスピードを上げる距離は、その人のレベルやその時の状態、状況によって変わってきます。ぶっつけ本番で行うのも不安でしょうから、練習で残りどのくらいの距離からできるのか試してみましょう。

ちなみに私の場合は、

  • 100~200mなら比較的確実
  • 250mくらいがギリギリ
  • 残り300mからだと、失速する可能性が高い

という感覚でラストスパートを考えています。

ラストスパートをする意味

「ゴール間近で全力で走っても、数秒から十数秒しか変わらないよ」と思う方もいるかもしれませんが、その数秒から十数秒が大事なのです。5秒くらいしかタイムを短縮することができなくても、結果がかなり変わってくることもあります。

例えば、前のランナーとの差が1~2秒くらいで、前の人を抜かせば入賞できる場合、ラストスパートして少ししかタイムを短縮することができなくても、抜かすことができれば入賞することができます。

入賞するのとしないのとでは気持ちの面でかなり違ってくるため、行う意味はあるのです。それは、入賞だけでなく優勝争いをしている場合も同じです。また、入賞や優勝に関係なくても、順位を少しでも良くすることはできます。

自己ベスト更新を狙っている場合でも、最後に全力疾走することは大事です。数秒の違いで自己ベストを更新できないケースもあるため、ゴール近くで最後の頑張りを見せて、数秒でもタイムを短縮することは大切です。

駅伝の場合は、最後まで手を抜かずに頑張ることによって、次の走者に思いを託していることが理解されやすいですしね。思いが伝わることでモチベーションが上がり、自分の能力を120%発揮できる場合もあります。

満足することもできる

ラスト、パワー全開で走ることによって「最後まで手を抜かずに頑張ることができた」などと心が満ち足りることもあります。

力を出し切らないと、自分を褒めることができない場合もあり「なんで最後は力を抜いてしまったのだろう」などとあとで悔やんでしまうこともあります。満足したり後悔しないようにするためにも、ラストスパートをすることは大切なのです。

ラストスパート合戦で負けないように

最後の最後、競っている人(近くを走っている人)に勝つためには、ラストスパートをして少しでも相手より前に出ることが大事です。

とはいっても、自分だけでなく周りの人もラストスパートする可能性が高く、ラストスパート合戦になることもあるでしょう。

比較的短い距離でのラストスパート勝負になった時、勝敗を分けるのは「気持ち」と「仕掛けるタイミング」と「スプリント力」です。

ラスト100m~200mくらいでの勝負になった場合、無酸素運動によるスプリント力が高いほうが有利になりますが、気持ちが強いほうが勝つこともあるため、ゴールするまでは気を抜かずに、諦めずに、妥協せずに、全力で走ることが大事です。

相手がゴール手前で自分に負けて、スピードを落とすことがありますしね。

ロングスパートは残り何キロから?メリットとは

一方で、ロングスパートは別物です。これは、残り200mくらいからの全力疾走とは違います。「最後の力を一瞬で爆発させる」のではなく、じわじわと差を広げていくことが可能な戦略です。

目安の距離は種目によって異なり、見られることの多い種目別ロングスパートの距離は以下になります。

  • 5kmレース・・残り1km前後から
  • 10kmレース・・残り1.5km~3kmから
  • ハーフマラソン・・残り3km~5kmから
  • フルマラソン・・残り5km~10kmから

フルマラソンのトップクラスのよくあるロングスパートは、35km以降の終盤の勝負どころになります。

ロングスパートのメリットは、次の通りです。

  • 後半のタイムが良くなりやすい
  • ライバルの心を折りやすい
  • 自分のリズムを維持できる
  • 短距離的な爆発力に自信がなくても戦える

メリットとしては、自分のリズムで走ることができるのもそうですが、競っている相手への「心理的なダメージ」もメリットといえます。

横に並んでいたランナーが、じわじわと離れていく。この「じわじわ感」は、終盤の疲れが蓄積している状態ではかなり堪え、精神的にきついものです。

ロングスパートのコツ

ロングスパートで大事なのは、肉体と精神のコントロールです。ゴールまで持たないくらいペースを上げるのはNGです。途中で失速してしまっては意味がないですからね。

とはいえ、「ちょっとペースを上げ過ぎた、最後まで持つかな」と思うくらいのロングスパートでも、最後まで失速せずにゴールできるケースもあるので難しいところです。ロングスパートをする上で、自分の力をよく理解することは必須ですね。

やってはいけないのは、短距離走のようなスイッチを入れてしまうことです。ロングスパートは無酸素運動に完全に入らないことが重要です。

感覚としては、

  • 「余裕はないけど、まだ保てる」
  • 「会話は無理だけど、リズムは崩れていない」

そのゾーンで押し続けます。

ポイントは、そこそこ距離が残っている状況で、限界まで追い込まないこと。本当に限界まで上げてしまうと、その後に大きな失速が待っています。

ロングスパートは「身体が耐えられる最大出力」で削る戦い。爆発的なスプリント力がなくても、冷静さとそれに見合う走力があれば使える武器です。

【まとめ】絶対できるという強い気持ちを持とう

ラストスパートに才能は関係ありません。もちろん、スピードの速い遅いという違いはあります。しかし、最後のヘトヘトの状態から、もう一段上げること自体は、基本的に誰でも可能です。

長距離走は有酸素運動が中心です。そして最後の短い距離では、それまでとは違う強い出力を出すことができます。

難しく考える必要はありません。実際に走ってみると分かりますが、「もう無理だ」と思っても、残り100~250mなら意外と脚は動きます。これは才能ではなく、体の仕組みです。

ラストスパートすることができないのは、気持ちが弱くなっているせいです。ものすごく苦しいと、妥協したくなったり手を抜きたくなったりするのが人間で、弱気になることもあります。

ですが、バテバテでも気持ち次第で、ラストに全力疾走することはできるので「私なら絶対できる」という強い気持ちを持ちましょう。